飯田橋から市ヶ谷にかけて、中央線は皇居の外堀に沿って走ります。
中央線の快速に乗ってこのあたりに来ると、都心のビル街の合間を縫うようにして走る風景から一転、
開放感のある風景が颯爽と車窓を流れていきます。
ただし、お堀が見えるのは片側の車窓だけで、反対側は切通しの壁となっていて面白みはありません。
ある晴れた夕方、そのお堀端をオレンジ色の201系電車が轟音を響かせ通り過ぎていきました。
無風で穏やかな水面に、夕日を浴びてより一層鮮やかになった車体のオレンジが風景ごと上下に反転して映ります。
まるで水面を境に、2本の電車がいるようにも見えます。

(2010年1月25日 飯田橋-市ヶ谷)
続いて上下対称ではなく、左右対称です。
こちらは、「本物」の2本の同じ電車がすれ違うとき、柱を境にきれいに顔の位置がそろった瞬間です。
この中央線の全身オレンジの201系電車はもう2本しか残っていません。
2本しか無い電車がきれいに顔をそろえて並ぶ瞬間は1日に数回ある程度で、
うまく写真に収めるのはそう簡単ではありません。

(2010年1月22日 東小金井駅付近)